2010年12月13日月曜日

暗黒の柔道整復師ビジネス (5)

この時間の予約受付をしていなかったので、一気に暇になってしまったちゃっきーです。
皆様本当に申し訳ありません <(_ _)>

そこで、明日書こうと思っていたことを今から書いて行きますね。

今回は柔道整復師の診断内容を外部が検証することがない為に起こる犯罪について解説します。

前回解説したように、病院の充実した街では柔道整復師にかかる人は少なくなります。
患者が来ないと収入がないのですが、柔道整復師は求められる病院過疎地に行く事よりも犯罪を犯して利益を得ようと考えました。

(1)で健康保険の「受領委任」が犯罪になっている理由だと書きましたが、それを最も象徴する犯罪方法です。

柔道整復師に健康保険が適用されるのは「骨折」「脱臼」「打撲」「ねん挫」「挫傷」ですが、それらは急性疾患と呼ばれます。
それは、すぐに治療を受ける必要のある症状だからです。
骨折して1ヶ月後に治療を受けに行くことはないですよね。

しかし、これらの急性疾患患者は皆病院に行くので、柔道整復師は慢性疾患に目を付けました。
慢性疾患には、痛みが長い期間続く頭痛や肩こり・腰痛などがあります。
これらは不定愁訴とも呼ばれ、整体やカイロプラクティックで対応する症状です。

実は柔道整復師は、急性疾患の早期回復目的としてマッサージを認められています。
保険治療は時間が15〜20分と決められています。
しかし、患者の希望により一日も早く回復したいと言われれば、全額自己負担で自由診療として時間延長が認められています。

それ以外のマッサージはしてはいけない(医師かあん摩マッサージ指圧師の仕事)ですが、自由診療と称して(慢性疾患に対し)マッサージしますと言い始めました。

しかし、彼らの行うマッサージは元々急性疾患に対して考えられた技術の為、整体やカイロプラックティックの技術と比べられると患者は集まりません。

そこで患者を集める為に考えたのが、カルテを改ざんし慢性疾患を急性疾患にしてしまうことです。

どういうことかおわかりでしょうが、説明しますね。
肩こりがひどく肩が痛いという人が、マッサージという言葉につられてやって来ました。
これは本来柔道整復師が対応できる症状ではありませんね。
そこで柔道整復師は「肩こり」「肩のねん挫」としてカルテを作成し、20分で数百円の治療費とすることで患者の自己負担を減らせば、整体やカイロプラクティックにいくべき人を自分の施術所に呼び込めると考えたのです。
もちろん「ねん挫」の治療は健康保険が適用されますので、患者からお金をもらわなくても保険金で稼ぐことができます。

当店でも施術料は20分で2,000円です。
同じ20分で2,000円と数百円では、数百円に魅力があるのは当然です。
こうして柔道整復師はまんまと偽装患者を増加させることに成功したのです。

そしてもっと多くの偽装患者に来てもらうため、アルバイト従業員を雇いベッドを増床します。
本来保険治療は柔道整復師しか行えません。
しかし実際は急性疾患の患者ではないため、アルバイトに適当なマッサージを教え対応しているのです。


今最も多い不正請求がこの方法です。
柔道整復師の診断が本当に正しいのかどうか?
それを検証する外部機関がないので歯止めがきかないのが現状です。

柔道整復師から健康保険に請求される金額は、年間4,000億円程度にもなるそうです。
内訳は「ねん挫」が約9割を占めるそうで、そうすると約3,600億円になります。
もちろん本当に「ねん挫」のかたもいらっしゃるでしょうが、その他の症状のかたが1割と考えると、違法請求金額は年間3,000億円を超えていると思いますね。

なんでこんな金額になるのか?
それは、適切な施術を受けていないためです。
肩こりなどの慢性疾患は柔道整復術では治りません。
ましてアルバイト従業員には、マッサージの技術すらありませんから。
施術を受けた時は、温められたりマッサージを受けたことにより若干良くなった気がしますが、痛みはすぐにぶり返します。
そのため数日後にはまた柔道整復師の所に行き、効果のない施術を何度も何度も受け、犯罪に拍車をかけているのです。

11月21日に「時間は大事です。」とこのBlogで書きましたが、
こんな柔道整復師にかかっている人は、時間と労力を無駄にしています。
その上1回につき数百円というお金も、意味の無い施術に支払っているのです。

そしてよく考えてみて下さい。
あなたの体を触って、しかもお金まで払っている相手は、決して先生ではなく単なる犯罪者なんですよ!


こんなにも巨額な金額が違法に流れているのに、なぜ国が放置しているのか不思議です。
そのくせ、健康保険料の値上げや病院での自己負担増加など、国民の負担は増え続けるばかりです。
そして、先進医療や海外の薬を使う場合には保険は適用されません。
もちろん予防医療として効果的な整体やカイロプラクティックにも保険は適用されません。

こんな状態の日本って一体どうなんでしょう?

次回は表に出てこない悪徳者について考えてみたいと思います。